入札ボンド制度を導入している公共・公的発注機関の数が100団体を超えたことが国土交通省などの調査で分かった。それによると、10年9月時点の導入機関数は144団体(今年1月時点は145団体)。国立大学法人で導入が大幅に増えた影響で、前年度調査の65団体から2・2倍に急増した。都道府県や市区町村でも導入が拡大する傾向にあるが、都道府県が「他機関の動向を踏まえて検討」と前向きな回答が多いのに対して、市区町村の8割近くは「導入予定なし」と回答。国交省は都道府県を通じて入札ボンドの導入効果を市区町村に広く働き掛けてもらう。
国交、総務、財務の3省による10年度の「入札契約適正化法に基づく実施状況調査」の結果によると、入札ボンドを導入済みの団体は、10年9月1日時点で国が9団体(導入率47・4%)、特殊法人等が97団体(76・4%)、都道府県が9団体(19・1%)、政令市が4団体(21・1%)、市区町村が25団体(1・4%)。国と政令市は前年度と同じ団体数だが、特殊法人等は前年度の31団体から急増。都道府県は前年度の7団体、市区町村は14団体から微増となった。
特殊法人等で新たに導入した団体の大半は国立大学法人。86法人のうち73団体が導入済みとなり、残りも本年度内の導入予定が11団体、今後検討が2団体となっている。地方自治体では、都道府県が調査時点で導入済みだった9団体(青森、岩手、宮城、埼玉、福井、滋賀、兵庫、奈良、徳島の9県)に加え、この1月に和歌山県が導入。ほかに3団体が検討中で、これらが導入すると導入率は27・6%と4分の1を超える。
国交省は昨年3月、入札契約制度のさらなる改善策の一環として、入札に参加する建設会社の経営実態をより公正に評価する観点から入札ボンドの拡大を打ち出した。地方自治体でも導入が徐々に拡大する傾向にあるが課題は市区町村への普及。国交省は一般競争入札導入の環境整備の一つとして導入を要請しているが、市区町村では一般競争入札の導入率(10年9月時点)が67・7%に達しているものの、入札ボンドの導入はまだわずか。「導入予定なし」とする市区町村も8割近くある。
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