資金繰り支援や企業再生支援などを柱にした政府の中小企業支援に対し、地方建設業界では複雑な思いが広がっている。過去問題となった貸し渋り・貸しはがしによる経営悪化が複数の中小企業支援策によって回避されている半面、金融機関の債権放棄や過剰債務を切り離す第二会社方式という私的な再生枠組みを使った中小建設業が出始めていることが理由だ。早くも4月からの経営事項審査改正で、私的再生枠組み急増を懸念する声も広がる。地方建設業界にとっては、歓迎すべき中小支援政策が一方で、供給過剰是正を阻みかねない現実に、一層頭を悩ますことになりそうだ。
10日の民主党成長戦略・経済対策プロジェクトチーム総会。人口減少や公共事業減少と長引く不況で地域経済が疲弊し、雇用の悪化や個人保証による多額の債務が足かせになっている現実を理由に、中小企業の事業引き継ぎ円滑化支援を目的にした産業活力再生法改正案を今通常国会に提出することを了承した。
産業活力再生法は2009年の改正で、中小企業でも過去大手企業で適用された「譲渡・分割+清算」の金融支援方法で、不採算部門を分離し商号や営業実績を引き継ぐ、「第二会社方式」の導入が可能になっており、中小建設業でも適用事例があった。
今回の産業活力再生法改正案は、事業引き継ぎ支援を公的機関が行うもの。関係者からはすでに、「建設業の場合は建材メーカーが地元中小建設業の事業を引き継ぐ可能性もある」ことが指摘されていた。
こうした資金繰りや企業再生から事業承継まで、地域経済疲弊を理由にした中小企業への手厚い支援策に、地方建設業界からは歓迎の声とともに戸惑いも広がっている。
最大の戸惑いは、「建設市場の縮小が進む中、(企業数が多い)供給過剰問題が一向に解決しない」(複数の地方建設業界関係者)ことで、競争激化に歯止めがかからないことだ。
これまで地方建設業界が求めてきた供給過剰と不良不適格業者排除問題解決のための入口制限については、国土交通省が4月から適用する経営事項審査改正で、技術者の雇用期間の明確化や法的整理(民事再生や会社更生手続き)を行った企業への大幅な減点で、4月以降からの公共工事参入には一定の歯止めがかかる。
ただ経審の減点は法的整理が対象で、第二会社方式などの私的再生枠組みは適用外だ。さらに中小企業庁の事業再生支援策と金融庁の金融円滑化法に基づく、建設業に対する金融機関の貸し付け条件変更(債務の繰り延べ)が増加していることに、地方建設業界からは「金融機関の支援が低価格競争の激化を招いている」との懸念の声も根強い。
そのため早くも、第二会社方式など私的再生枠組み企業を会員に抱える地方建設業界からは、「4月の経審改正で、法的整理企業はなくなる一方、金融機関支援による私的再生企業は急増する」ことへの不安が広がる。
建設市場の回復が見込めない中、「供給過剰」と「企業再生・支援」という地方建設業界にとって二律背反の課題に、地方建設業界は「本音を言えば私的再生企業も公共工事からは退場してほしい。でも仲間(協会内)にそんなことも言えないし、いつ自分がそういう立場になるかも分からない」と、苦渋を語る。
《各省庁の中小企業支援 主な枠組み》
〈経済産業省・中小企業庁〉
◆中小企業再生支援協議会
多様な事業再生支援を目的に2003年に都道府県ごとに設置。09年の産業活力再生法改正で、不採算部門を切り離す第二会社方式や債務の株式化なども可能に。
◆産業活力再生法の改正
中小企業の事業引き継ぎ支援を目的に、新たに事業引き継ぎ支援センター設置や金融支援拡大を柱にした改正法を今通常国会に提出へ。
◆緊急保証制度の延長
11年9月まで建設業などを対象に、信用保証協会が金融機関からの融資を100%保証する、緊急保証制度を事実上存続。また、政府系金融機関のセーフティーネット貸付も継続。
〈金融庁〉
◆金融円滑化法の延長
ことし3月末までが期限だった、中小企業への資金繰り緩和を事実上金融機関に求める同法を1年延長。
〈国土交通省〉
◆地域建設業経営強化融資制度
公共工事などの請負代金債権を譲渡担保に、低利で融資。未完成部分の施工に必要な資金の融資も可能。
◆下請債権保全支援事業
下請けが元請けに対する工事請負代金債権(手形含む)の支払いをファクタリング会社が保証する。また保証した手形の早期現金化(割引き)も可能。
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