数秒から20秒程度の周期の長い揺れの成分が多い地震動を、「長周期地震動」と呼びます。長周期地震動に注目が集まるきっかけとなったのは、2003年9月に発生した十勝沖地震でした。
この地震では、震央から約250kmも離れた北海道苫小牧市内に建つ石油タンク内の液体が、長周期地震動によって共振を起こして揺さぶられ、浮き屋根がタンク設備に衝突。その際に発生した火花が火災を招きました。
さらに、浮き屋根が破損して、タンク内に沈んでしまう被害も生じています。震央から遠く離れた場所に伝わって大きな被害をもたらし得るのが、長周期地震動の恐ろしさです。
長い周期の地震動は、減衰しにくく、地下構造の影響によって、その揺れが増幅する場合があります。堆積層で構成された平野部や盆地などで影響が大きくなり、しかも長く揺れることになります。
大きく揺れる超高層ビル
長周期地震動による共振のリスクを抱えるのは、石油タンクに限った話ではありません。リスクの把握やその対策が強く求められている代表例は、超高層ビルです。超高層ビルも固有周期が長いからです。
例えば、高さ約200mの50階から60階建て程度のビルであれば、固有周期は4秒から6秒くらいになると考えられます。
数十棟オーダーで構造被害
国土交通省は10年12月、「超高層建築物等における長周期地震動への対策試案」をまとめ、意見募集を行いました。
試案では、超高層建築物の大臣認定の運用を見直して、東海・東南海・宮城県沖の3地震による長周期地震動を考慮した設計用地震動によって構造計算することなどを求めています。
● 国土交通省が示した対策試案の骨子
大臣認定の運用を見直し、東海・東南海・宮城県沖地震の3地震による長周期地震動を考慮した構造設計を求め、家具などの転倒防止に対する設計上の措置について説明を求める
今回対象の3地震以外の地震や複数が連動する場合の設計地震動について余裕を持った設計を行う場合の参考情報を提供する
(2)既存の超高層建築物等への対策
大臣認定を受けた超高層建築物、免震建築物のうち、今回対象の3地震による長周期地震動による影響が大きいものについて、再検証し、必要な補強などを行うよう要請する
(注)国土交通省が「超高層建築物等における長周期地震動への対策試案」に関して意見募集した際の資料に基づく
さらに、既存の超高層建築についても3地震による長周期地震動の影響が大きいものは、再検証や補強を要請する方策を提案しました。
日本建築学会は3月4日に東京・大阪・名古屋の3大都市における長周期地震動の影響を検討した結果を報告しました。東海・東南海・南海地震が連動したケースを想定したものです。
その結果、超高層建築物に作用する地震力は、現行の耐震設計で想定する大地震に比べて、大きい場合で1.25~2倍になる見込みだと分かりました。超高層建物群が崩壊するリスクはほとんどないものの、大きな構造的被害が生じる超高層建物が数十棟のオーダーで存在すると推測しています。
●超高層建築物の固有周期
東日本大震災でも、都内の超高層ビルが大きく揺れたという報告は少なくありません。東京都庁舎では一部の天井材が落下するなど非構造部材の被害が発生しました。
長周期地震動による揺れは、超高層ビルの上層階に大きな揺れをもたらします。この際、大きな変形が生じるので、外装仕上げの剥落や天井の落下といった被害を及ぼす恐れがあります。エレベーターの運行に影響を及ぼす事例も確認されています。
東日本大震災や国による試案の提示などによって、長周期地震動対策に対する関心は高まるとみられます。今後、長周期地震動対策のための点検や改修が、急速に増えてくるでしょう。
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