国土交通省は20日、「復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会」で示した被災地域内での主任技術者の兼任要件緩和について、運用内容を各発注者、業界団体に通知した。東日本大震災の被災3県に限らず、甚大な被害を受けた地域で一定要件を満たせば、発注者の判断で主任技術者による2件程度の兼任が認められる。
現行は、建設業法第26条第3項に基づく建設業法施行令第27条第1項で工事現場に置く専任の主任・監理技術者の適正な配置を求めており、同第2項で「密接な関係のある2以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所か近接した場所で施工する」場合に、同じ主任技術者を専任できるとしている。例えば、下水道工事と同じ区間の道路工事といった場合などで主任技術者の兼任が認められる。主任技術者の専任が求められるのは、請負金額2500万円以上(建築一式工事は5000万円以上)の工事。
今回の通知では、被災地域で、一定の面的なつながりがあり、同時・集中的に復旧・復興工事が実施されることが増えるとみられることから、「工事の対象となる工作物に一体性か連続性が認められ、工事現場相互の間隔が5km程度の近接している場合」、発注者が認めれば両方の工事に同じ主任技術者を専任できるようにした。兼任は「原則2件程度」としている。発注者が、個々の工事の難易度や工事現場相互の距離などの条件を踏まえ、適正な施工管理や安全性を考慮しながら、兼任を認めるか判断する。基本的には、同工種の場合に兼任可能とするとの考え方だが、建築と土木といった場合などでも状況に応じて発注者が判断する。
あわせて、現場施工に着手するまでの期間や、工事完成後に検査が完了して後かたづけなどだけが残っている期間、工場製作の期間など主任・監理技術者の専任を必要としない期間を明確化した2009年6月30日の通知も改めて周知した。
通知は、各都道府県主管部局長、国関係・独立行政法人など公共工事発注担当部局、各地方整備局建設業担当部、建設業者団体にそれぞれ送付した。
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