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 2011年に成立した地域主権改革の一括法で、地方自治体に対する国の義務付け・枠付けが緩和されたことを受け、公共住宅整備などの独自基準を設ける動きが地方自治体で広がっている。交通事故防止のために独自の標準道路幅員を設定したり、独自の水道技術管理者職員資格を設けたりする事例が出ている。

              
 地域主権改革の一括法は、11年4月に第1次、同年8月に第2次が成立し、いずれも12年4月1日に施行した。今通常国会には第3次一括法案を提出している。

             
 第1次一括法では、公営住宅法の省令で設定している公営住宅等整備基準(原則、1戸当たりの床面積合計19㎡以上など)を、条例制定時の「参酌すべき基準」に緩和した。内閣府のまとめによると、法施行を受け、兵庫県が団地整備の際に多様な世帯・年齢が入居できるよう規模・仕様が異なる住宅を組み合わせることを明確化したほか、再生が可能な資源の活用、エネルギー消費の抑制、敷地の緑化などに努める独自基準を制定した。岡山市では、照明設備のエネルギーの効率的利用や新エネルギー利用などを基準に盛り込んだ。

                 
 同じく国の道路構造令が「参酌すべき基準」に緩和されたことを受け、愛知県はすり抜け車両や違法駐車を抑制するため標準の道路幅員を2.5mから1.5mとするよう明確化した。香川県でも、都市部だけ縮小可能だった交差点の車線幅員を郊外部でも縮小可能にして交通渋滞対策に対処できるようにしたほか、歩道の設置が困難な場合には路肩幅員を1m以上にできることを明記した。

                      
 省令で定められている保育所設備・運営の基準についても、児童福祉法を改正し、条例で地域の実情に応じて設定できるようになった。東京都では、ゼロ、1歳児の乳児室の1人当たり面積を広げる一方、年度途中に定員を超えて入所させる場合の乳児室・ほふく室の1人当たり面積を独自に設定した。都は、特別養護老人ホームの設備・運営基準についても廊下の片側に居室がある場合の廊下幅の基準を縮小するなど独自基準の設定に動いた。

                    
 第2次一括法では、政省令で定めている水道技術管理者、水道布設工事監督者、一般廃棄物処理施設技術管理者の地方自治体の職員資格について、条例で実情に応じた資格設定を可能にした。仙台市では、「4年」とされている農学を修めた水道技術管理者の実務経験年数を「3年」に短縮。石川県珠洲市も、10年以上の実務経験者などとされている水道布設工事監督者の資格に「市の水道事業で5年以上実務を経験していること」との規定を追加している。

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経済産業省資源エネルギー庁は25日、「調達価格等算定委員会」(委員長・植田和弘東大大学院教授)を開き、再生可能エネルギー電気の買取価格や買取期間などの委員長案を提示した。太陽光発電(10kW以上)は1kW時当たり42円、風力発電(20kW以上)は23.1円などとした。27日に次回会合でまとめる報告書を踏まえ、枝野幸男経産相が買取価格を決定する。
                     
 買取価格算定に当たっては、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」で施行後3年間は利潤に特に配慮することになっていることから、標準の税引き前IRR(内部収益率)7−8%に1−2%上乗せすることを基本的な考え方とした。その上で、発電方式ごとのリスクの大小に応じてIRRを設定した。

          
 委員長案では、太陽光発電の買取区分を住宅用の10kW未満と事業者用の10kW以上に分けた。住宅用については、現行制度と同じ余剰買取方式を採用して42円とし、補助金を勘案すると実質的に48円となる。

              
 地熱発電については、1.5万kW以上と1.5万kW未満に区分。地表調査や調査井の掘削など地点開発に1件当たり46億円程度かかることや、事業化の成功率が低い(7%程度)ことを勘案し、税引き前のIRRを標準より高い13%に設定し、買取価格は1kW時当たり27.3円(1.5万kW以上)と42円(1.5万kW未満)とした。太陽光や風力、中小水力などほかの発電方法は、1−8%に設定している。バイオマスについては、買取区分を細かく設定するためのデータ把握が難しいため、委員長案は「初年度の区分」とした。

                   
 各買取価格は、今後、年度ごとに設定する予定で、施行から3年後は、実際の事業のデータに基づきながら設定することになる見通しだ。

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地盤工学会は、東日本大震災でさまざまな地盤災害が発生したことから、宅地での被害防止や軽減を目的に、消費者に地盤品質の説明を義務付ける法制度の整備と、「地盤品質判定士(仮称)」の資格創設を提案した。24日に開いた「東日本大震災に関するシンポジウム」で発表した第2次提言案に盛り込んでいる。

              
 地盤工学会は2011年7月にまとめた第1次提言で、地盤品質判定士の必要性を指摘、1月から全国地質調査業協会連合会、日本建築学会の3団体で資格設立検討会を設け、制度の必要性確認、実行可能性の評価、資格創設に向けた方針・計画を検討している。

                    
 新たな法制度は宅地や住宅の取引時に、地盤の品質を適切な地質・地盤調査の結果に基づいて確認するとともに、液状化や盛り土崩壊の可能性と防止策などについて購入者に説明を義務付ける。制度の実効性を高めるには、技術水準が一定レベル以上であることを保証する必要性があるため、新たな資格制度を求めている。13年度の制度創設を目標に現在、産官学の団体・組織に対し、具体的な制度設計の議論に参画を希望するかどうかの調査をしている。

                  
 シンポジウムで日下部治会長は「今回の地震は多くの地盤災害を起こした。液状化や宅造地の崩壊、地盤沈下など地盤に関するさまざまな課題を提起した」と指摘、パブリックコメントで意見を求め、5月に第2次提言の最終版を策定すると述べた

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