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建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)は、社会保険未加入問題解決に向けて、加盟する職別団体ごとに社会保険加入状況の実態調査に着手する。最終的には、職別団体ごとに、社会保険など法定福利費の内訳を明示した標準見積書を作成し、下請負契約の改善につなげるのが狙い。建専連首脳は取引先の元請けに対し、「現状の問題が解決できなければわれわれはつぶれる」と強い危機感を表明。社会保険未加入問題の解決が難しいと言われる建設生産の後工程団体も、独自の理解促進活動を開始、社会保険未加入、重層構造問題解決へ、建専連は退路を断って取り組み始めた。

                    
 「この状態が続けば、わたしたちはもうできない。元請けは直用にしてください。ゼネコンが直用にするならわたしは(昔のように)世話人に戻る」

                            
 発注者から現場労働者まで四位一体で現在の問題を取り組むことを訴える、才賀会長を支える、建専連の内山聖副会長は、取引先のゼネコンに対し窮状と、腹をくくった強い意思を訴えた。

                           
 建専連が、社会保険未加入問題への取り組みとともに、6月からの意見交換で、元請け業務の一部を下請けが現在担っている実態を昨年行った調査に基づいて明らかにし、元・下取引適正化につなげる問題提起に踏み切るのは、社会保険未加入問題だけで現在の生産システムの課題は解決しないことが理由だ。

                                    
 さらに、専門工事業界の要求に応える形で国土交通省が打ち出した社会保険加入義務化だけが進めば、「職人はさらにいなくなってしまう」(建専連首脳)ことにつながりかねない。そのため、これまで社会保険未加入問題に、「ハードルが高い」としていた全国建設室内工事業協会も「このチャンスを逃したら終わり」(石田信向会長)と、1月から全国各地で会員企業の理解を得るための説明会を開始した。

                                
 専門工事業団体が、社会保険未加入や元・下取引関係契約の適正化問題を、実態調査に基づいて解決するための活動を鮮明にしたことについて才賀建専連会長は、「全業種の企業が(しわ寄せに対し)ノーと言えなければ、もう生きていけない。そのためには元請けに理解してもらわなければならない」と話している。

                         
◆会見要旨
 才賀清二郎会長 社会保険未加入や重層構造問題で最終的に求めるのは、ダンピング(過度な安値受注)をやめてほしいということだ。ダンピングがなくなればうまくいく。

                          
 今後は、発注者、元請け、下請け、現場の労働者が四位一体で取り組まなければ、こうした問題は解決しない。
                      

そのために6月から全国各地区で始まる国土交通省などとの意見交換で、社会保険未加入問題とともに、現場の実態と現場での専門工事業の役割の明確化について議論したい。はっきり言えば、われわれが一致団結してノーと言える集合体にならなければ団体はもう持たない。

               
 内山聖副会長 社会保険未加入問題については、各団体で温度差がある。そのために(建専連加盟団体ごとの)実態調査が必要だ。本来加入しなければならない保険の種類も理解していない場合もある。先行して社会保険加入だけが義務化されれば職人はさらに少なくなり、専門工事業は間違いなくつぶれる。

                     
 米森昭夫副会長 われわれの業界(ファブリケーター)で未加入問題はほとんどないが、専門工事業界全体のためには、一致団結して進める必要がある。

                          
 石田信向副会長 最初(社会保険未加入問題解決)はハードルが高いと思っていた。しかし乗り越え、このチャンスを逃したらもう先はない。

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