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経済産業、国土交通の両省は10日、総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会住宅・建築物判断基準小委員会と社会資本整備審議会建築分科会建築環境部会省エネルギー判断基準等小委員会の第3回合同会議を開き、住宅と非住宅建築物の省エネルギー基準見直しの素案をまとめた。一次エネルギー消費量を指標とし、設備性能や再生可能エネルギーの利用も総合的に評価できる基準に変更。室用途ごとに省エネ性能を評価できる計算方法とした。また撤廃の是非が議論を生んだPAL(年間熱負荷係数)も非住宅の基準に適用することが盛り込まれた。近く手続きを始めるパブリックコメントを経て基準をまとめる。

                 
 見直しでは、現行で外皮の断熱性と個別設備ごとの性能を別個に評価していたところを、一次エネルギー消費量を指標として建物全体の省エネ性能を評価するように変更。一次エネルギー消費量の評価では、高効率の給湯設備や空調設備の設置など、省エネ手法を採用した設計仕様が、標準タイプの設備設置による基準仕様に比べてエネルギー消費量が下回ることを求める。また、外皮の基準には住宅に外皮平均熱貫流率、非住宅にPALも適用する。基準は1999年のレベルとする。

                         
 評価単位は、戸建住宅の場合は住戸が基準値を満たすこと、共同住宅では各住戸が基準を満たすとともに、共用部や非住宅部分も加えた建物全体の消費量が基準を満たすことを求める。非住宅建築物の場合は建物全体を評価対象とする。

                        
 建物全体の基準一次エネルギー消費量は、室用途や設備ごとに定めた基準を利用して算出。素案では、それまで活用していた8建物用途ごとに室用途を設定し、その室に応じた設備の基準を別表として示した。8建物用途から、事務所等は19室、ホテル等は31室、病院等は28室、物販店舗等は17室、学校等は26室、飲食店等は19室、集会所等は60室、その他は3室を挙げた。

                    
 また地域区分は、現行基準で北から順にIa、Ib、II、III、IVa、IVb、V、VIの8区分で表示していたところを、同様の順で1−8に表示方法を変更する。室用途ごとに設定する設備のうち、空調と給湯の各設備には地域区分を設ける。このほか、太陽光発電設備などエネルギー利用効率化設備では、発電量のうち自家消費相当分のみを評価対象とする方針とした。自家消費相当分が設備の化石燃料の利用削減につながるほか、設備設置による外皮の熱性能低下も外皮への基準を設定したことで想定されないとみて方針を決めた。

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