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 国土交通省は26日、総合評価方式二極化の2012年度試行結果を踏まえた改善の方向性をまとめた。CORINS(コリンズ)を活用した全国版の工事成績データベース(DB)を構築するほか、他の地方整備局や都道府県の工事成績を実績として評価対象に加えることも検討していく。若手技術者の育成にも積極的に取り組む方針だ。同日開かれた総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会(座長・小澤一雅東大大学院教授)に示した。

                    
 12年度(13年3月1日時点)の総合評価二極化の試行工事は、合計1780件。タイプ別では、施工能力評価型のII型が937件、I型が675件、技術提案評価型のS型が164件、A型が4件。

                          
 同省はこのうちI型の675件の発注者と競争者にアンケート調査を実施。調査の結果、いずれも5割前後が二極化によって業務負担を軽減できたとした一方で、複数の課題も浮き彫りになった。受注企業が偏ることへの懸念に加えて、競争参加者からは他の整備局の工事成績も評価対象に加えてほしいとの要望があった。発注者からは工事成績の平均点の確認にかかる手間を省く目的で全国版DBが必要との声が上がったという。

                     
 若手技術者の育成に関しては、委員からも「特に地方は監理技術者が固定化しており、若い人が活躍できない状況にある」「将来の品質を確保するという意味でも若い人の活用は重要」といった指摘がある。

                          
 同省は各整備局で若手技術者の活用を評価する総合評価が拡大している上、九州では配置予定技術者の年齢を制限するといった独自の仕組みも導入されていることを踏まえ、今後も積極的に取り組んでいく姿勢を示した。

                      
 このほか、評価基準に位置付けている同種性の高い工事の確認に時間がかかるとの意見も踏まえながら、26日に総合評価方式の運用ガイドラインを各整備局に通知し、13年度中に本格導入に移行する。

◆高度技術提案の拡大へ運用指針

 国交省は、技術提案型総合評価の中でも高度な技術提案を求める案件が少ないことなどを理由に、『設計・施工一括および詳細設計付工事発注方式等の運用ガイドライン(案)』をまとめた。

                        
 同指針は09年3月にまとめた同工事発注方式のマニュアルと、10年9月の一括発注での建設コンサルタント活用の指針を統合したもの。工事内容ごとの適性を明示したほか、適用の効果、リスク分担などに関する記述を変更した。

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 国土交通省は25日、担い手確保・育成検討会の第4回会合を開いた。年度内最後の会合となった今回は、下部組織のワーキンググループ(WG)での今年度の検討成果が報告されたほか、登録基幹技能者の普及策や技能労働者の教育訓練に関する新たな展開を提示した。教育訓練の展開では、元請けと下請けを交えた地域単位の協議組織の設置のほか、訓練施設の集中や連携による訓練機会や入職者の確保につなげる考えを示した。2013年度は施策実現のための実態調査などを進め、具体化への議論につなげる。

                
 検討会では、WGでまとめた建設専門工事業等評価制度の仕組みづくりに向けた基本的考え方や、技能労働者の技能の「見える化」の実現に向けた中間取りまとめが報告された。ほかにも、WGで議論中の「建設産業の魅力を発信するためのアクションプラン案」、登録基幹技能者のさらなる普及に向けた方策、技能労働者に教育訓練の新たな展開が示された。

                  
 登録基幹技能者の普及方策では、主に▽位置付けの明確化▽制度の広報▽公共工事での制度活用の促進▽有資格者増加に向けた対策--の4項目をまとめた。国交省が実施した調査結果では業界内での制度の認知がまだ低い状況が示されたため、登録基幹技能者の配置による施工品質や安全面での効果や、入札制度での活用状況をPRする方向性を示した。また5年ごとの更新の際に最新の技術や法令の習熟をチェック、それを発信することで登録基幹技能者の信頼性向上や資格取得への意欲増進につなげる。都道府県などに総合評価方式で配置を評価項目に設定してもらうなどの活用の促進策を取ることも示した。

                   
 教育訓練の新たな展開策としては、元請けと下請けが連携して人材育成を協議する場を地域ブロック単位で設けることを提案。各地方整備局、や建設産業専門団体連合会、日本建設業連合会、建設業協会などが定期的に官民で意見交換し、人材育成に向けた問題意識の共有や共同での取り組みの推進の場をつくる。将来的には都道府県単位で協議する場を設けることを目標にする。
 また、業界を挙げた人材育成や訓練機会の確保に向け、訓練施設の連携を進めることも提案された。提案は、企業内訓練校の共同利用と、公共職業訓練校と企業などの連携の2つが柱。企業内訓練校の共同利用では、機能を集中させた訓練施設を設け、運営や訓練コースの設定を共同処理することで運営効率を高め、その際に機能を集中させることで複数の職能を持つ技能者を一度に育成する考え。

                   
 公共職業訓練校との連携では、企業や業界団体が公共訓練校に訓練を委託するとともに、ハローワークに要請して求職者への訓練を実施することで、即戦力の確保や入職後の定着率向上に目指す案を示した。

                  
 このほか検討会では、技能労働者の資格や職歴をデータベースに登録する『見える化』に関連し「社会保険の加入状況などがわかるようになると、企業間でもシステムの評価が上がる」など、早期の構築に期待を示す意見が続いた。「これをきっかけに技能労働者の評価の仕組みも議論するべき」といった考えも示された。

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 全国鉄筋工事業協会(内山聖会長)は、社会保険未加入対策として作成を進めている「標準見積書」について、4月1日から活用を始めるよう求める文書を会員各社に近く通知する。とび・土工、鉄筋、型枠大工、左官の躯体4職種の中で、鉄筋が先行する格好だ。今後、他職種の進捗を見ながら共同歩調を取る。実際の見積書の活用は、2次下請け以下への教育の徹底が大きな課題になるとみられる。

                 
 標準見積書の鉄筋業での先行活用開始は、東京都鉄筋業協同組合(館岡正一理事長)が21日に開いた3月度定例会で内山全鉄筋会長が明らかにした。

                  
 4職種の建設業専門工事業団体で進めている標準見積書作成の統一行動について、内山会長は「すべての業種が標準見積書モデルを作成できているわけではなく、(ゼネコンに説明可能な)精度についてもバラツキがある。一方で、社会保険加入率が高い地方部から早急な活用開始を求められている」とし、鉄筋が先行する理由を説明。現在の標準見積書モデルについて、「まだまだ問題はある。吉と出るか凶と出るか分からない。しかし、いまやらなければ、不良不適格業者と言われ、生き残れない会社が出る」とした。元請けに提示して問題点を修正しながら活用を広げたいえだ。

                    
 東鉄協の館岡理事長は、「われわれ(1次下請け)は、もらった法定福利費をきちんと2次下請けに払い、説明できなければならない。2次の親方も、説明して作業員に払わなければならない。消費税と同じように、法定福利費を後で支払うことを理解して親方がきちんとプールしなければならない。2次、3次下請けへの教育の徹底が重要だ。払っているか監視するのもわれわれの役目だ」と2次下請け以下への教育の重要性を説いた。

                        
 内山会長も「見積書の内容を作成者が理解していなければゼネコンに説明できない。こちらが説明できなければ、ゼネコンも発注者に提示できない。ゼネコンに説明できる全鉄筋でありたい」と教育の徹底の重要性を強調した。

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