TPP協議で米商議所 / 建設通信新聞

日本がTPP(環太平洋経済連携協定)協議に参加することについて、米商工会議所が米国政府に対し、日本の政府調達で外国企業が参入しやすいように、複数年契約の導入と随意契約撤廃を求めていることが7日、民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT)総会に提出した政府資料で明らかになった。
                 
資料ではさらに、全米サービス産業連盟も米国企業の公共事業参加拡大を理由に建設サービス調達の改善に言及。特に鉄道調達だけを明記した上で、安全注釈の撤廃・限定運用を求めた。米国政府が1月13日の締め切りで行った日本のTPP参加関心表明に対する意見募集の内容を、外務省が邦訳した。
                
7日に開いた民主党の経済連携PT総会で政府は、ベトナム、ブルネイ、ペルー、チリの4カ国と行ったTPP参加交渉へ向けた事前聞き取りの結果のほか、米国政府が行った意見募集の結果内容を資料として提出した。このうち、米国政府への意見提出では、全米サービス産業連盟が、政府調達について、「米国企業の公共事業参加を制限する慣行に対応すべく、効率的な制度の開発、合弁企業の取り扱い問題取り組み、鉄道調達に関する安全注釈の撤廃・限定運用を実施すべき」とした。これまで参入実績が少ない鉄道工事に焦点を当てた格好だ。
                 
また全米商工会議所も、政府調達の項目として「外国企業のアクセスを改善するため、複数年契約を導入し可能な場合、随意契約撤廃を期待する」とした。米国政府に対する意見は113件に上った。
              
TPP参加の是非をめぐる議論で、地方自治体のコンサルタント業務や建設工事で応札企業の内外無差別入札を行う基準額の大幅引き下げを懸念する声はあったが、米国産業界から、政府調達について具体的要求が浮き彫りになったのは今回が初めて。
 民主党の同PTでは、政府の資料内容と説明に対し「ご用聞きのような内容だけでは、TPP参加判断の議論はできない」など異論が相次ぎ、政府にはさらに詳細な資料を提出することを求めた。また、参加の是非を判断するための基準づくりは、議員間議論でまとめていく方針も決めた。

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