建設業許可の要件について
建設業許可を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。
1.専任の技術者を営業所ごとに常勤で置いている。
2.経営業務の管理責任者が常勤でいる。
3.請負契約に関して誠実性を有している。
4.請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用を有している。
5.欠格要件に該当しない。
6.建設業を営む営業所を有している。
※建設業許可申請には、建設業許可要件を満たしていることを証明するため、
様々な確認資料を提出あるいは提示することが必要となります。
建設業許可要件の「専任の技術者」とは?
取得したい建設業許可の業種ごとに、
専任技術者となり得る資格・免許・実務経験等が定められています。
それらの資格等を有するものが会社の常勤職員(常勤の役員、従業員)として勤めていれば、
専任の技術者の要件を満たしていることになります。
個人企業の場合でも
代表や従業員が専任の技術者(略して専技)となることもできます。
【専任の技術者・建設業許可の基準】
一般建設業 | 特定建設業 |
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法第7条第2号 | 法第15条第2号 |
建設業許可を受けようとする 建設業に係る建設工事に関して 次のいずれか要件に該当するもの |
|
イ.学校教育法による高校 旧実業学校を含む)所定の学科を卒業後して5年以上、 大学(高等専門学校・旧専門学校を含む)所定の学科を卒業後して3年以上の実務経験を有する者 |
イ.専任技術者の資格に該当する者 |
ロ.学歴・資格を問わず10年以上の実務経験を有する者 <注意>下記*1参照 |
ロ.法第7号第2号イ・ロ・ハ(左側、一般建設業の欄)に該当し、且つ元請として消費税を含む4,500万円以上の工事(平成6年12月28日前にあっては、消費税含む3,000万円、さらに昭和59年10月1日前にあっては1,500万円以上)について 2年以上の指導監督的な実務経験を有する者 |
ハ.イ、ロと同等又はそれ以上の知識・技術・技能を有すると認められた者 1.所定学科に関し、旧実業学校卒業程度検定に合格後5年以上・旧専門学校卒業程度検定に合格後3年以上実務経験を有する者 2.専任技術者の資格に該当する者 3.その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認められた者 |
国土交通大臣が、イ又はロに掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者
指定建設業 |
1 <法第7条第2号ロについて>
実務経験により建設業許可を2業種申請するときは、
1業種ごとに10年以上の経験が必要です。
実務経験の期間は重複することができず、建設業許可の2業種を申請するときは、
それぞれ10年以上、計20年以上の実務経験が必要となります。
建設業許可要件の「経営業務の管理責任者」とは?
建設業許可を受けるためには、
経営業務の管理責任者(略して経管)が常勤でいなければならないとされています。
経営業務の管理責任者とは、
その営業所において、営業取引上の対外的な責任を有する地位にあって、
建設業の経営業務について総合的に管理し、執行した経験を有する者をいいます。
経営業務の管理責任者の要件
法人では常勤の役員のうち1人が、また、個人では本人又は支配人が
下記1-4のいずれかに該当すること。
役員とは次の者です。
1)合同会社の有限責任社員、合資会社及び合名会社の無限責任社員
2)株式会社及び有限会社の取締役
3)委員会設置会社の執行役
4)上記に準ずる者
*法人格のある各種の組合等の理事等
1.建設業許可を受けようとする建設業に関し、
5年以上の経営業務管理責任者としての経験を有する者。
【建設業許可要件の詳細】
建設業許可を取得していたか否かに係わらず、
建設業の経営者(法人の取締役や個人事業主等)としての経験が5年以上あれば、
その経験した「建設業の業種」については経営業務の管理責任者となることができます。
建設業法上の営業所を設置している建設業者において、
「令3条の使用人(支店長や営業所長等)」として届けられた期間が5年以上あるときは、
当該、建設業許可の業種について経営業務の管理責任者となることが可能です。
2.建設業許可を受けようとする建設業以外の建設業に関して、
6年以上の経営業務管理責任者として経験を有する者。
【建設業許可要件の詳細】
建設業許可を取得していたか否かに関係なく
建設業の経営者(法人の取締役や個人事業主等)として経営経験が6年以上あれば、
経験した建設業の業種以外の業種についても経営業務の管理責任者となれます。
29業種いずれかの業種において、建設業者での経営者としての経験が6年以上あれば、
建設業許可の29業種すべてについて、経営業務の管理責任者となれます。
3.建設業許可を受けようとする建設業に関して、
経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有する者。
*準ずる地位とは?
使用者が法人である場合において役員に次ぐ職制上の地位をいい、
個人である場合においては当該個人に次ぐ職制上の地位を指します。
経営業務の執行に関して、
取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から
具体的な権限委譲を受け、且つ、その権限に基づき、執行役員等として
5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験がある者
6年以上経営業務を補佐した経験がある者
4.国土交通大臣が1-3までに掲げる者と同等以上の能力を有する者として認定した者。
一般建設業許可と特定建設業許可において、経営業務の管理責任者の要件に違いはありません。
3の1は平成19年3月30日公布・施行の「建設業法第7条第1号イに掲げる者と
同等以上の能力を有する者を定める件(昭和47年建設省告示第351号)の
一部を改正する告示について」 により新たに追加されました。
*支配人とは?
支配人とは、個人経営における事業主に代わり
その営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限を有する使用人で、
商業登記簿上で支配人登記が行われている者をいいます。
支配人の活用って?
個人事業主がご子息に継承するような場合に有効です。
事業主がご子息を支配人登記しておけば5年後には、
ご子息は経営業務の管理責任者としての建設業許可要件を満たすことになります。
事業主が生存中に、ご子息が継承した場合、
経営業務の管理責任者としての建設業許可要件を満たしている前事業主を
支配人として登記すれば建設業許可申請を行うことが可能となります。
経営業務の管理責任者の専任性
経営業務の管理責任者は、他社の経営業務の管理責任者及び技術者、
管理建築士、宅地建物取引主任者等、建設業法又は他の法令で
専任性を要するとされる者として兼任することはできません。
ただし、同一企業で同一の営業所である場合は、兼任することができます。
※建設許可を受けようとする建設業と建設業許可を受けようとする建設業以外の建設業
非常にわかりにくい表現ですが、ここでいう「建設業」とは、
建設業許可の業種という意味で使われています。
建設業許可は、その建設工事の種類によって28業種に分類されています。
(詳しくは「建設業許可の28業種」をご覧ください。)
「執行役員」及び「経営業務を補佐した経験」
平成19年3月30日公布・施行の「建設業法第7条第1号イに掲げる者と
同等以上の能力を有する者を定める件(昭和47年建設省告示第351号)の
一部を改正する告示について」により、経営業務の管理責任者としての経験に
「執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験がある者」
という項目が追加されました。
経営業務を補佐した経験とは、
建設業許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる
資金の調達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約締結等の経営業務について
法人の場合は、役員に次ぐ職務上の地位にある者。
個人の場合は、当該個人に次ぐ職制上の地位にある者として従事した者
建設業許可要件の「財産的基礎」とは?
一般建設業許可の場合は、
次の「いずれか」に該当する必要があります。
一般建設業許可の財産的基礎要件 ( いずれかに該当すること )
1.自己資本が500万円以上あること。
*貸借対照表「資本の部」の「資本合計」の額を「自己資本」といいます。
2.500万円以上の資金調達能力のあること。
*金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書等
3.直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること(更新申請のとき)
特定建設業許可の場合は、
建設業許可申請、直前の確定した決算において、
次の「すべて」を満たす必要があります。
特定建設業許可の財産的基礎要件 ( すべてに該当すること )
1. 欠損の額が資本金の20%を超えないこと。
2. 流動比率が75%以上であること。
3. 資本金が、2,000万円以上あること。
4. 自己資本が、4,000万円以上あること。
建設業許可要件の「欠格要件に該当しないとは?
「欠格要件に該当しない」とは次のいずれかに該当しないこと。
1.建設業許可申請書・添付書類等に、重要な事項について虚偽の記載があり、
または重要な事実の記載が欠けているとき。
2. 法人にあってはその法人の「役員(取締役等)」、個人にあってはその「本人・支配人」、
その他「支店長・営業所長(令3条使用人)」等が次のような要件に該当しているとき。
イ.成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ない者。
ロ.不正の手段で建設業許可を受けたこと等により、
その建設業許可を取り消されて5年を経過しない者。
ハ.建設業許可の取り消しを免れる為に廃業の届出をしてから5年を経過しない者。
ニ.建設工事を適切に施工しなかった為に公衆に危害を及ぼしたとき、
あるいは危害を及ぼすおそれが大であるとき、
または請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により
営業の停止を命ぜられその停止の期間が経過しない者。
ホ.禁錮以上の刑に処せられ刑の執行を終わり、
または刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者。
ヘ.建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、
もしくは暴力団員による不当な行為の防止に関する法律の規定に違反し、
刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から
5年を経過しない者。
本ページに記載された内容は、令和2年年10月1日に施行前された建設業法の改正に基づくものですが、改正された内容について、すべては記載しておりません。